昔は自分で染めていた

1975年くらいのお話なのですが、綿の無地って、種類がありませんでした。、シーティングの色物さえないのですから、仕方がないので、自分で染めていました。その頃、いろんな色を染めて、ブランケットステッチでアップリケをして、風景画などを作って喜んでいました。

そうしてると、お客様が、その生地を欲しいといわれる事になり、染めて売るのですが、何しろ工場ではないですから、毎晩、お風呂と大きなホーローの窯で、生地を染めるのと格闘していました。

染めるのも大変なら、乾かすのも大変でした。キャンバスとかコール天とかも染めていました。
アップルハウスさん 原宿コットンハウスさんなども、この頃から、染められていたのだと思います。
家内工業で染めてもらうところを見つけたのもつかのま、オイルショックで廃業されてしまいました。

そうこうしているうちに、やっとシーティングのカラーが世にでてきて、しかも、ニューフリーズ加工とかすごくいいものがでてきました。お蔭でずいぶん楽になりましたし、こんな色が欲しいといえば、すぐに染めてもらえました。

でも、現在はカラーシーティングといえば、なんだか、売りだしの目玉商品に定着してしまって、さみしいかぎりです。もちろん、いろいろあるのですが、ほとんど中国製におされています。
本当は国産のいい生地が扱いたいのですが、同じシーティングという名前で、アウトレットファブリックスの仕入れ値段の方が一般に売られている小売り価格よりはるかに高いのです(笑)。